建設業を営もうとするときは、500万円未満(建築一式工事の場合は、1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事)の軽微な工事を請け負う場合を除き建設業の許可が必要となります。
許可の有効期限は5年で、更新の申請は有効期間の満了する日の30日前からすることができます。
建設業許可を受けるためには、下記の6つの要件をすべてを満たす必要があります。
①常勤の経営業務の管理責任者等(常勤役員等)がいること
②適切な社会保険に加入していること
③常勤の専任技術者がいること(資格・実務経験を有する技術者の配置)※1
④財産的基礎・金銭的信用を有すること(財産的要件)※1
⑤欠格要件に該当しないこと誠実性があること※2
・請負契約の締結やその履行に際して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと
・(他の法律(建築士法、宅建業法など)で免許取消等の行政処分を受けていないこと、また、処分を受けていた場合、その最終処分から5年経過していること)
⑥建設業の営業を行う事務所を有すること
登記の有無にかかわらず、実質的に常時建設工事に係る請負契約等を締結する事務所を指します。※3
※1 特定建設業と一般建設業では、要件が異なります
※2 法人の場合は、当該法人・役員・政令で定める使用人、個人の場合は、その者・政令で定める使用人
※3 2つ以上の都道府県に営業所があれば、大臣許可が必要です
上記の要件のうち満たすのが大変なのが、「常勤の経営管理責任者の配置」
と「常勤の専任技術者(資格・実務経験を有する技術者)の配置」になります。
常勤の経営管理責任者の配置
建設業に関する経営業務の管理責任者経験が5年以上 の場合
法人役員の場合
①営業実態の証明
法人税の確定申告書のうち、別表一・決算報告書
②営業実績の証明
工事内容・工事期間・請負金額が確認できる工事の契約書・注文書・請求書等
但し、確認できる建設工事と次の建設工事との期間が12か月を超えていないこと
③ 常勤役員であることの証明
履歴事項全部証明書、閉鎖事項全部証明書
法人税の確定申告書のうち、役員報酬手当及び人件費等の内訳書
但し、役員期間が退任などで空白期間のないこと
①②③のすべてをもって「経験年数」を証明します。
個人事業主の場合
①営業実態の証明
所得税の確定申告のうち、第一表、但し、第一表に税務署の受付印はないが第二表に
税理士等の記名捺印がある場合は第二表も必要
②営業実績の証明
工事内容・工事期間・請負金額が確認できる工事の契約書・注文書・請求書等
但し、確認できる建設工事と次の建設工事との期間が12か月を超えていないこと
上記以外に過去に建設業許可を受けていた建設業者(現在の許可業者も)での経験をもって証明することも認められています。
常勤の専任技術者(資格・実務経験を有する技術者)の配置
営業所ごとに一定の資格や実務経験がある専任の技術者の配置が義務付けられて
います。同一営業所において、各業種に各1名ずつ置かなければなりません。
専任技術者として認められるには、次の要件を満たす必要があります。
(1)一般建設業の実務経験(①~④)、資格(⑤⑥)のいずれか
①対象建設業種に関し、高校卒業後5年以上又は、大学・高専卒業後3年以上の
実務経験があり、指定学科を修めた者
令和5年7月1日以降、指定建設業と電気通信工事業を除いて1級の第1次検定
合格者は大学指定学科卒業者と同等、2級の第1次検定合格者は高校指定学科
卒業者と同等として認められます。
②対象建設業種に関し、専修学校卒業後3年以上の実務経験があり、指定学科を
修め、専門士・高度専門士の者
③対象建設業種に関し、専修学校卒業後5年以上の実務経験があり、指定学科を
修めた者
④対象建設業種に関し、10年以上の実務経験がある者
⑤対象建設業種に関する検定種目等に合格している者
(例:建築工事の場合、1級又は2級の建築施工管理(建築)に合格)
⑥対象建設業種に関する登録基幹技術者講習(一般建設業)を修了している者
なお、指定学科とは施行規則第1条の表に掲げる学科をいいます。
経営管理責任者、専任技術者の要件の充足についてご不明な場合は、当事務所へお気軽にお尋ねください。